ファストファッション台頭のなかで、次第に価格競争に巻き込まれた末、高級高額メンズニットは「特殊」なウエアではなくなった。カシミヤでさえ、「高級」意識から遠のき、「原料髙や製品の値崩れは元に戻らない。他の素材や値頃な商材の企画品を増やさざるを得ない」(カシミヤ主力のメーカー)と10,000円台で購入できる粗悪なカシミヤセーターのはんらんで、業界はさんざんな目に今もあっている。
・・・中略・・・
林田は看板ブランドの「レセント」で団塊世代に対してトラベルウエアを用意した。色や素材、シルエットを3つのシーンに分けて、高度成長期を支えたリタイア組に「旅行を楽しんで」と提案中だ。
素材は快適な機能素材もあるが、春夏秋冬、主役は横編みニットだ。生産する田辺工場(和歌山県)での数量は月ごとに増加、百貨店バイヤーからの評価も高い。